OpenAI初のインフルエンサー招待旅行に批判殺到 タイミングに疑問の声
OpenAIが初めて開催したインフルエンサー向け高級招待旅行「Summer Club」がSNSで批判を集めています。データセンター問題と重なるタイミングが指摘され、OpenAIは「健全な議論を歓迎する」とコメントしました。
重要ポイント
- OpenAIが初のインフルエンサー招待旅行「Summer Club」をニューヨーク州北部の高級リゾートで開催したと報じられています
- 参加者には農場直送の食事、養蜂などのウェルネス活動、新モデル群「ChatGPT Work」の使い方講座が提供されたとのことです
- SNSでは「魂を売った」といった皮肉や、AIデータセンターの環境負荷との矛盾を指摘する声が上がりました
- 特に黒人クリエイターの参加について、データセンターが与える環境負荷の偏りや、同意のないAI生成コンテンツの問題と絡めた疑問の声も出ていると報じられています
- 投稿を削除した参加者もいるとされ、OpenAI広報担当のDrew Pusateri氏は「健全な議論を歓迎する」とコメントしました
このニュースを仕事でどう使うか
- 編集部としては、インフルエンサーやアンバサダーを起用したPR施策を企画する際、施策の華やかさと自社を取り巻く社会的な論点(環境・雇用・データ利用への懸念など)との間にギャップがないか、事前に確認しておく価値があると考えます。
- 特にAI関連の広報施策は、技術への期待と不安が同時に語られやすい分野であるため、参加者の立場や発信内容が意図せず論争の的になる可能性を想定しておくことが望ましいでしょう。
OpenAIが週末に開催した初めてのインフルエンサー向けブランド旅行「Summer Club」が、SNS上で批判を浴びています。ニューヨーク州北部の高級リゾートで農場直送の食事や養蜂などのウェルネス体験、そしてChatGPT Workの活用法を学ぶ講座が用意されましたが、参加したクリエイターの投稿に「魂を高級ホテルの部屋と引き換えにした」といった皮肉なコメントが相次ぎました。批判の背景には、AIデータセンターが環境や地域社会に与える影響への懸念があるとされています。OpenAIは広報担当者を通じて「クリエイターとの対話を歓迎する」とコメントしています。
背景
AI企業各社は近年、製品の使い方を広めるためにSNSインフルエンサーとの連携を強めています。TechCrunchによれば、Anthropicはクロード向けにインフルエンサーディナーを開催し、マイクロソフトのCopilotも2月にインフルエンサーをスーパーボウルに招待するなど、同種の施策が業界で広がっていました。一方でOpenAIは同じ時期にオハイオ州での大規模データセンター建設契約や国防総省との契約が報じられており、AIインフラの環境負荷や軍事利用への懸念が高まっている局面でした。
詳細
TechCrunchの報道によれば、OpenAIは今回「Summer Club」と名付けたブランド旅行を企画し、複数のインフルエンサーをニューヨーク州北部の高級リゾートに招待しました。滞在中は農場直送の食事や養蜂体験といったウェルネス活動に加え、新しいモデルファミリー「ChatGPT Work」の実践的な使い方を学ぶ講座も用意されていたとのことです。
参加したクリエイターの一部はInstagramやTikTokに旅行の様子を投稿しましたが、コメント欄では「世界が火事になっている最中に、1泊5,000ドルのスイートを自慢するのは時期が悪い」といった批判が寄せられたと報じられています。特に、黒人クリエイターの参加をめぐっては、データセンターが環境面で地域社会に不均衡な影響を与えているとの指摘や、本人の同意を得ないAI生成コンテンツの問題と絡めた疑問の声が上がった一方、「急速に変化する技術に黒人コミュニティが対応していくために関与すること自体は必要だ」との擁護論も出ていたとされています。批判を受けて投稿を削除した参加者もいたということです。
OpenAI広報担当のDrew Pusateri氏は、クリエイターとの連携はChatGPTの実践的な使い方を広める幅広いマーケティング活動の一環であり、クリエイターは「製品について人々が学ぶ手段として重要な存在」であると説明し、「健全な議論を歓迎する」とコメントしています。TechCrunchは、OpenAIが2月に著名人との関係構築を担当する「セレブ囁き者」としてCharles Porch氏をクリエイティブ・パートナーシップ担当VPに起用していたことも報じています。
なぜ重要か
AI企業によるインフルエンサーマーケティングは今後も広がる可能性がありますが、今回の一件は、企業のPR施策が社会の受け止め方とずれた場合にどのようなリスクを招くかを示す事例といえます。日本でもAI関連企業やSaaS事業者がインフルエンサーを起用したPRを検討する場面が増えていますが、企業が置かれている社会的文脈(環境負荷や雇用への影響への懸念など)と、実施するPR施策の見た目のギャップには注意が必要だという教訓を含んでいます。特にSNS上では海外の反応も速く伝播するため、国内企業にとっても他人事ではないテーマです。
今後の見通し
OpenAIは今回の批判に対し是正措置などは発表しておらず、クリエイター連携自体は継続する方針とみられます。AI企業のインフルエンサーマーケティングと、AIインフラの社会的影響をめぐる懸念が並行して報じられる状況は今後も続く可能性があり、同種の施策が他社でも実施される際に注目が集まりそうです。
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