Appleが新型Siriをついに投入、それでも盛り上がりに欠ける理由
AppleがGoogleのGemini技術を取り込んでSiriを刷新し、iOS 27で2026年9月に正式提供へ。ただ度重なる延期とAI競争の加速により、待望の刷新は拍子抜けに映るとTechCrunchが報じています。
重要ポイント
- 新しいSiriはiOS 27のベータ版に搭載され、正式リリースは2026年9月の予定
- AppleはGoogleのGemini AIモデルを活用し、自社の基盤モデル「Apple Foundation Models」を訓練・改善したと説明
- 処理はApple独自シリコンとプライベートクラウド上で実行される設計
- 自然な会話形式の対話に加え、写真・メール・連絡先・メッセージ・カレンダーなど個人的な文脈を理解できるようになった
- TechCrunchは、AIアシスタントが「ちゃんと機能する」こと自体はもはや目新しくない時代に登場したため、反応が控えめだと分析
このニュースを仕事でどう使うか
- 日本のビジネスパーソンや中小企業にとっても、AI機能の導入計画を「発表してから遅延する」形にしてしまうと、競合や利用者の期待値がその間に上がり、実際にリリースした時の評価が下がりかねないという教訓は参考になります。
- 自社サービスにAI機能を組み込む際は、外部の優れたAI技術を組み合わせる選択肢も含めて検討しつつ、発表のタイミングと実装の確実性を慎重に見極めることが重要と言えそうです。
米TechCrunchは2026年8月3日、Appleが長年遅延を重ねてきたSiriのAI刷新をついに実現させたものの、その到着はどこか「拍子抜け」に映ると報じました。新しいSiriはiOS 27のベータ版で試せる状態になっており、一般ユーザー向けの正式提供は2026年9月を予定しています。技術的には成功と言える内容である一方、AI業界全体の進化が速すぎたために、驚きを持って迎えられていないという評価です。
背景
SiriのAI刷新は数年越しの計画で、当初の発表から幾度も延期が繰り返されてきました。この間、ChatGPTをはじめとする対話型AIが急速に普及し、コード生成やマルチステップの作業代行、画面操作の自動化まで担えるようになっており、「音声アシスタントが賢くなる」こと自体への驚きは薄れています。Appleにとっては、遅れて追いつく格好となった今回の刷新です。
詳細
新しいSiriの特徴は、単なる音声コマンドの受け答えにとどまらず、ユーザーの写真・メール・連絡先・テキストメッセージ・カレンダーといった個人的な情報を文脈として理解し、それを踏まえて回答や操作を行える点にあります。また世界的な知識に基づく質問への回答、アプリの起動や音楽再生、メール作成、ナビゲーションといった操作をより正確にこなせるようになったほか、カメラのビューファインダーを通じて実世界の情報を認識する機能も備えるとされています。
Appleはこの刷新にあたり、GoogleのGemini AIモデルを使って自社の基盤モデルを訓練・改善したと説明しています。処理自体はAppleのシリコンおよびプライベートクラウド上で行われる設計とされ、外部モデルの技術を取り込みつつ、Apple独自のプライバシー方針の枠内で運用する形を取っています。
TechCrunCh記者のSarah Perez氏は、新Siriを「機能的で印象的」と評価する一方、その到着が「やや反高潮的(anticlimactic)」に感じられると指摘しています。度重なる延期を経てようやく実現した刷新であるにもかかわらず、市場側のAIに対する期待値がすでに大きく引き上げられているため、単に「ちゃんと動くアシスタント」であること自体が驚きを生まなくなっている、というのが論調の核です。
なお、Siriのこうした遅延を巡っては、AppleがAI機能の発表内容が誇大だったとする集団訴訟について2026年5月に和解に合意したとの報道もありました。今回の刷新の背景には、こうした市場・法的な圧力もあったとみられます。
なぜ重要か
SiriはiPhoneユーザーにとって最も身近なAI接点であり、その刷新は日本の数千万人規模のiPhoneユーザーにも直接関わる変化です。今回の事例は、大手プラットフォーマーであっても自社開発だけでAIを迅速に進化させるのが難しく、外部の技術を組み合わせる判断に至ったことを示しています。また、AI機能の「実装の速さ」と「マーケティングでの期待値のコントロール」のバランスが企業にとって大きな経営課題であることも浮き彫りにしました。単に高性能なAIを作るだけでなく、市場の期待とタイミングを合わせることの難しさが、大手企業の事例からも見て取れます。
今後の見通し
新Siriは2026年9月の正式リリースに向けてベータ版でのフィードバックが続く見込みです。GoogleのAI技術との連携が実際の使い勝手や評価にどう反映されるか、また競合の対話型AIとの比較でどのような立ち位置になるかは、正式リリース後の反応を待つ必要がありそうです。
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