Google「Gemini Robotics 2」発表 器用さと安全性を強化した3モデル体制
Googleがロボット向けAI基盤モデル「Gemini Robotics 2」を発表。全身制御・推論・オンデバイス実行の3モデル構成で、現時点で一般公開されているのは推論モデルのみです。
重要ポイント
- Googleが「Gemini Robotics 2」を3モデル構成で発表(2026年7月30日)
- 内訳は、動作生成を担う「Gemini Robotics 2」(VLA)、高レベル推論を担う「Gemini Robotics ER 2」、ロボット本体上で動く「Gemini Robotics On-Device 2」
- 一般開発者がGemini API経由でプレビュー利用できるのは「ER 2」のみ。VLAは提携パートナー向け早期アクセス、On-Device 2は限定テスター向け
- 電球のねじを外すタスクでは92%の成功率を報告した一方、他の複数の五本指ハンドタスクでは32〜44%にとどまったと報じられています
- Apptronik製ヒューマノイド「Apollo 2」を使ったデモでは、指示に応じて物体まで歩いて拾い上げ、棚に運んで配置する一連の動作を実演
このニュースを仕事でどう使うか
- 現時点でGeminiベースのロボットAIを自社の業務に直接組み込める段階ではなく、一般公開されているのも推論モデルのみです。
- ロボット導入や自動化を検討している中小企業にとっては、今回の発表を「将来の選択肢が増えつつある」という情報として押さえつつ、実際の導入判断は成功率や実運用事例がより明らかになってから検討するのが現実的でしょう。
Googleは2026年7月30日、ロボット向けAI基盤モデルの新版「Gemini Robotics 2」を発表しました。今回の発表は単体モデルではなく、役割の異なる3つのモデルを組み合わせた体制になっているのが特徴です。器用な物体操作や全身を使った動作、複数ロボットの連携といった能力の強化が謳われていますが、現時点で一般開発者が試せるのはそのうち1モデルのみで、残りは提携先や限定テスターへの提供にとどまっています。
背景
Googleは2025年に発表した「Gemini Robotics」以降、視覚・言語・行動を統合したモデル(VLA: Vision-Language-Action)でロボット制御の分野に参入してきました。ロボットAIの分野では、言葉で指示を理解する「知能」の部分と、実際に手や体を動かす「運動制御」の部分を1つのモデルでどこまで担わせられるかが課題とされてきており、今回の3モデル分割はその役割分担を明確にする狙いがあるとみられます。
詳細
今回発表された3モデルのうち、「Gemini Robotics 2」はビジョン・言語・行動を統合したVLAモデルで、ヒューマノイドロボットの全身制御と器用な物体操作を担います。「Gemini Robotics ER 2」はGemini 3.5 Flashをベースにした具現化推論(embodied reasoning)モデルで、人間との対話や物理世界の理解、数分にわたる多段階のタスク計画を担当します。「Gemini Robotics On-Device 2」は、前バージョンの「Gemini Robotics 1.5」の技術とGoogleの軽量モデル「Gemma」をベースに、ロボット本体上でネットワーク接続なしに動作できるよう設計されています。
アクセス状況には差があり、ER 2はGemini API経由の一般公開プレビューとして提供される一方、VLAは早期アクセスの提携パートナーのみ、On-Device 2は限定されたトラステッドテスターのみが利用できる状態です。つまり、発表された3モデルのうち今すぐ誰でも試せるのは推論モデル1つにとどまります。
器用さに関する性能評価では、電球のねじを外すタスクで92%という高い成功率が報告された一方、ゴミ袋を結ぶ、ジッパー付き袋を封じるといった他の五本指ハンドを使うタスクでは32%から44%程度にとどまったと報じられています。また、二本指のグリッパーの方が五本指の多関節ハンドよりも安定した成績を示したとも伝えられており、器用な手指操作は依然として発展途上の領域であることがうかがえます。デモでは、Apptronik製のヒューマノイドロボット「Apollo 2」に「水差しを緑色のビンの棚に置いて」と指示したところ、ロボットが物体の場所まで歩き、拾い上げ、棚のエリアまで移動して指定の場所に配置する、という一連の動作を実演したと報じられています。
なぜ重要か
人型ロボットや産業用ロボットの「頭脳」部分をクラウドの大規模AIモデルが担うという流れは、製造業やサービス業でロボット導入を検討する企業にとって無関係な話ではありません。特に日本は労働人口減少を背景にロボット活用への関心が高く、GoogleのようなAI大手がロボット向け基盤モデルを整備する動きは、将来的に日本の製造・物流・サービス現場で使われるロボットの「頭脳」の選択肢に影響する可能性があります。ただし今回発表された内容は研究発表・限定提供の段階であり、成功率の数値が示す通り実用レベルの器用さにはまだ課題が残っている点は押さえておく必要があります。
今後の見通し
VLAモデルやOn-Device版が今後どの程度の範囲に提供を広げるか、また五本指ハンドの器用さがどこまで改善されるかは、続報を待つ必要がありそうです。ロボットAI領域は他の大手企業も開発を進めている分野であり、今回の発表を一つの通過点として今後の進展を注視していきたいところです。
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