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米図書館発「AI回避」講座が異例の人気に

米国の公共図書館で、スマートフォンやメールのAI機能を無効化する方法を教える「Avoiding AI」講座に通常を大きく上回る申し込みが殺到。Big Tech主導のAI強制搭載への不満が背景にあるとTechCrunchが報じています。

出典
2件 主な出典
公開日時
AI利用範囲
AIによる要約・執筆(機械チェック実施)

重要ポイント

  • メイン州バンゴー公立図書館の司書ハンナ・サイラス氏が2025年秋に開いた「Avoiding AI」講座に70人以上が申し込み、通常の定員(約30人)を大きく超えて待機者が出た
  • フィラデルフィア南部の司書チャーリー・ベイリー氏も同様の講座を開催。告知のInstagram投稿は通常数十件のいいねのところ2,000件超のいいねと220件のシェアを集めた
  • 講座ではApple IntelligenceやGoogleのGeminiなど、スマートフォンや検索、メールに組み込まれたAI機能の無効化手順を具体的に教えている
  • 参加者の動機は「AIの強制的な搭載への不満」「プライバシー懸念」「環境負荷への懸念」など。医療分野でのAI活用は評価しつつも、日常的なツールへの一方的なAI組み込みには反発する声が多いとされている
  • サイラス氏が講座の取り組みを論文で発表したのを機に、2026年春には他州の司書ら約20人が参加するオンライン勉強会も開かれ、AI回避の手法を共有する動きが広がっている

このニュースを仕事でどう使うか

  1. 自社の製品やサービスにAI機能を組み込む企業にとって、今回の動きは「AI搭載イコール歓迎される」とは限らないことを示す一つの参考事例になります。
  2. 特にBtoC向けのアプリやツールを提供する中小企業にとっては、AI機能の有無だけでなく、オン/オフを利用者自身が分かりやすく選べる設計や、AIを使う目的・範囲を丁寧に説明することが、利用者との信頼関係を保つ上での論点になり得ます。
  3. 編集部としては、AI導入を検討する際に「便利さ」と同時に「利用者の選択の自由をどう確保するか」を併せて考える視点が参考になると考えます。

米国の公共図書館で「Avoiding AI」と題した講座が異例の人気を集めています。生成AI機能をスマートフォンやメール、検索サービスから無効化する方法を教える内容で、通常のパソコン教室の定員を大きく上回る申し込みが相次いでいます。TechCrunchが報じたところによると、メイン州とフィラデルフィアの図書館員が主催者で、SNSでの拡散をきっかけに全米の同業者からも問い合わせが相次いでいるといいます。

背景

Apple IntelligenceやGoogleのGeminiをはじめ、近年はスマートフォンOSやメールソフト、検索エンジンにAIアシスタント機能が既定で組み込まれることが一般的になりました。多くはオプトアウト(利用停止)が可能なものの、設定画面の奥に隠れていたり手順が分かりにくかったりするため、「使いたくないのに使わされている」と感じる利用者も少なくありません。公共図書館は伝統的に住民のデジタルリテラシー向上を支援する役割を担っており、確定申告や求人応募のオンライン手続きなど基本的なIT講座を無料で提供してきました。今回の「AI回避」講座は、その延長線上でAI機能の停止方法という実務的なニーズに応えた形といえます。

詳細

サイラス氏が2025年秋にバンゴー公立図書館で初めて開いた「Avoiding AI」講座には70人以上が申し込み、通常の定員30人を大きく上回る規模になったとTechCrunchは報じています。講座では生成AIとは何か、日常のどんな場面で組み込まれているか、そしてスマートフォンやメール、検索サービスに搭載されたAI機能をどう無効化するかを段階的に説明しています。通常のパソコン講座の参加者が10数人程度であることを踏まえると、異例の関心の高さだったといえます。

フィラデルフィア南部の図書館で講座を開くチャーリー・ベイリー氏の場合も反響は同様で、開催を告知したInstagram投稿は通常数十件のいいねにとどまる図書館の投稿の中で、2,000件超のいいねと220件のシェアを集めたとされています。ベイリー氏の講座でも、Apple IntelligenceやGeminiといった主要なAIアシスタント機能を無効にする具体的な手順を扱っているといいます。

サイラス氏は自身の取り組みを論文にまとめて発表したところ、全米そして海外からも同業の司書たちから問い合わせが相次いだといいます。2026年春にはメイン州内の司書約20人が参加するオンライン勉強会が開かれ、各図書館でAI回避講座を始めるためのノウハウを共有する動きも生まれています。TechCrunchによれば、参加者からは「(AI機能を)どうやって切ればいいのか。どうしてメールを勝手に書こうとするのか」といった率直な質問が寄せられており、こうした声の積み重ねが講座の企画につながったといいます。

主催する司書たちは、AIそのものを全面的に否定しているわけではないとも強調しています。サイラス氏は「生成AIが信頼できる情報源ではないと利用者に伝えられないなら、情報専門職として何を伝えられるのか」と述べたと報じられており、医療分野など特定用途でのAI活用の有用性は認めつつ、日常のツールに一方的に組み込まれ選択の余地なく使わされる状況には異議を唱える立場だとされています。

なぜ重要か

この動きは、AI機能の"既定オン"設計に対する利用者側の反発が、草の根レベルで組織化され始めていることを示しています。図書館という公共性の高い場でこうした講座が支持を集めている事実は、AI企業やデバイスメーカーにとって、機能の押し付け方や不透明なオプトアウト導線が信頼低下につながりうるリスクを示唆します。日本では現時点で同種の「AI回避講座」が公共施設で広がっているという報道はありませんが、AIアシスタント機能のスマートフォンやメールソフトへの標準搭載は同様に進んでおり、同じような不満が今後表面化する可能性はあります。デジタル製品を提供する企業にとっては、利用者が機能を理解し選べる状態を保つことが、長期的な支持につながる論点として参考になりそうです。

今後の見通し

サイラス氏らの取り組みをきっかけに、同様の講座が他の図書館や自治体に広がるかどうかは今後の動向次第です。AI機能の標準搭載を進める企業側が、オプトアウトの分かりやすさや透明性をどう改善するかも注目されます。日本でも同様の動きが生まれるかは未知数ですが、AIアシスタント機能の普及が進む中で、利用者のリテラシー支援という切り口は今後注目される可能性があります。

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情報確認日 2026-07-12

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