Monday.com、全社員の2割削減へ AI理由のテック大手レイオフが継続
プロジェクト管理ツールのMonday.comが従業員の約2割・600人超を削減。AIを理由に挙げるテック企業のレイオフが2026年を通じて相次いでいる状況を、TechCrunchの報道をもとにまとめました。
重要ポイント
- Monday.comは2026年7月22日、従業員の約20%(600人超)の削減を発表。再構築費用として4,500万〜5,500万ドルを見込むと報じられています
- CEOは「コスト削減ではなくAI活用型の成長戦略への転換」と説明し、2026年通期では最大20%の増収を見込んでいるとしています
- TechCrunchは2026年に入りAIを理由に挙げたテック企業のレイオフを一覧化しており、Amazon(1月・約16,000人)、Meta(5月・約8,000人)、Oracle(直近12カ月で21,000人)などが名を連ねています
- Cloudflare(5月・1,100人)やCisco(5月・4,000人)など、削減対象が現場だけでなく管理職層にも及んだと報じられている企業もあります
- 一部報道では、レイオフでAIを理由に挙げた企業の株価はナスダック平均を下回る動きを見せているとの分析も紹介されており、市場の受け止めは必ずしも好意的ではないようです
このニュースを仕事でどう使うか
- 日本のビジネスパーソンや中小企業にとっては、「AIによる効率化」を組織変更の理由として説明する際、社内外への伝え方次第で受け止められ方が大きく変わりうるという点が参考になります。
- AI導入を進める企業では、業務効率化の実態と人員体制の見直しを切り分けて説明し、従業員のリスキリングや配置転換の道筋を具体的に示すことが、対外的な信頼につながりやすいと考えられます。
- 海外の同業他社がどのような理由・数字でレイオフを発表しているかを把握しておくことも、経営判断や採用計画の参考情報になるでしょう。
プロジェクト管理ツールを手がけるイスラエル発企業Monday.comが2026年7月22日、従業員の約20%にあたる600人超のレイオフを発表しました。共同CEOのEran Zinman氏は、これを単純な人員削減ではなく「AI Work Platform」への戦略転換に伴う組織再編だと説明しています。米メディアTechCrunchは、Monday.comの一件を2026年にAIを理由としてレイオフを発表したテック企業の一覧に加え、Amazon・Meta・Microsoft・Oracleなど20社超の動向を時系列でまとめて報じています。日本ではまだ目立たない現象ですが、グローバルテック業界での「AI起因のレイオフ」という説明の広がり方には注目すべき点があります。
背景
2023年以降、テック業界では景気減速やコロナ禍の過剰採用の反動を背景にレイオフが繰り返されてきましたが、2025年後半から2026年にかけては「AI導入による効率化」を明示的な理由として掲げる企業が目立つようになりました。生成AIツールの実用化が進み、コーディング支援や顧客対応の自動化など具体的な業務代替の事例が積み上がったことが、企業がAIを表向きの理由として使いやすくした背景にあるとみられます。同時に、業績自体は好調な企業が多く、増収を維持しながら人員を削減するという一見矛盾した動きが続いている点も特徴です。
詳細
Monday.comは業務管理・プロジェクト管理向けのSaaSを提供する企業で、この1年で株価が大きく下落していたと報じられています。今回のレイオフは、同社にとって近年で最大規模の製品戦略転換の一環とされ、プラットフォーム全体をAIを軸にした「AI Work Platform」として再設計する方針の一部だと説明されています。会社側は人員削減後も戦略領域では採用を継続する方針を示しているとのことです。
TechCrunchがまとめたリストには他にも多くの企業が並びます。Microsoftは7月9日に約4,800人を削減し「AIが仕事の進め方を変えつつある」とコメントしたとされ、Oracleは直近12カ月で21,000人規模の削減が続いていると報じられています。GitLabは6月に約350人(全体の14%)を削減し、AIエージェント関連のインフラ投資に資源を振り向ける方針を示したとされます。Intuitは5月に約3,000人(17%)を削減し「AI注力への再配置」と説明、Metaも5月に約8,000人の削減と7,000人規模の配置転換を発表し「AIでの成功は保証されない」とコメントしたと報じられています。Cisco(5月・約4,000人)、Cloudflare(5月・約1,100人)、Block(2月・約4,000人)、Salesforce(2月・1,000人未満)、Amazon(1月・約16,000人)なども同様にAIへの言及とともにリストに含まれています。BlockについてはCEOのジャック・ドーシー氏が、AI活用によるレイオフを行う企業が今後1年以内に増えるとの見方を示したとも報じられています。
TechCrunchによれば、こうした企業の一部については、AIを理由に挙げた発表後の株価パフォーマンスがナスダック平均を下回る傾向があるとの金融メディアの分析も紹介されており、投資家の側は「AIが本当の理由か」に懐疑的な見方をしている可能性がある、とされています。
なぜ重要か
テック企業が業績好調にもかかわらず「AI」を理由に大規模な人員削減を行う動きが世界的に広がっていることは、日本企業にとっても他人事ではありません。海外拠点を持つ企業やグローバルSaaSを利用する企業にとっては、取引先の組織再編がサービス継続性に影響する可能性もあります。また、AIを理由とした説明が必ずしも市場や従業員に額面通り受け止められていない点は、今後日本で同種の発表が出た際にどう受け止められるかを考える材料になります。人事・広報の観点から、レイオフとAI導入の因果関係をどう説明するかは今後さらに注目される論点になりそうです。
今後の見通し
TechCrunchのこのリストは今後も更新が続くとみられ、AIを理由に挙げるレイオフ発表がさらに増える可能性があります。一方で、AIが実際にどこまで人員削減の直接要因なのかについては、市場や労働団体からの検証・懐疑的な見方も今後強まる可能性があり、各社の説明と実態の乖離が焦点になっていくと考えられます。
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