「アルゴリズムも広告もない」SNS Yope、1230万ドルを調達
友人・家族の非公開グループに特化したSNSアプリYopeが、Northzone主導のシードラウンドで1230万ドルを調達。登録ユーザー約1500万人の成長ぶりと、広告に頼らない収益モデルを紹介します。
重要ポイント
- シードラウンドで1230万ドルを調達。主導はSpotifyやKlarnaへの投資実績を持つNorthzoneで、Inovo・Redseed・Geek Venturesが参加した。累計調達額は2000万ドルとなる
- アルゴリズムによるおすすめフィードと広告を排除し、友人・家族などの非公開の少人数グループでの交流に特化している
- 登録ユーザー数は約1500万人。週間の共有コンテンツ数は1000万〜2000万件と報じられている
- アクティブユーザーの50%以上が週5日以上アプリを利用し、約20%が年配の家族メンバーを招待しているという
- 収益源は広告ではなく、パワーユーザー向けの有料サブスクリプション。1ヶ月以内にAI生成の「ミニゲーム」機能を追加予定としている
このニュースを仕事でどう使うか
- 広告に頼らず少人数コミュニティに特化するYopeのアプローチは、日本の中小企業がSNSマーケティングを考える際にも、フォロワー数を追うアルゴリズム型の発信だけでなく、既存顧客やファンとの「非公開・少人数」のクローズドな関係構築という選択肢があることを示唆している。
- 社内コミュニケーションツールや会員限定コミュニティの設計を検討する事業者にとっても、「アルゴリズムなし・広告なし」で信頼関係を維持するという設計思想は一考の余地があるかもしれない。
- ただし、Yope自体はまだシード段階のスタートアップであり、日本市場での展開や具体的な進出計画は現時点で報じられていない。
友人や家族などごく親しい人間関係に特化したSNSアプリ「Yope」が、シードラウンドで1230万ドルを調達したとTechCrunchが報じた。ラウンドは投資会社Northzoneが主導し、Inovo、Redseed、Geek Venturesが参加。これまでの累計調達額は2000万ドルに達している。Yopeは、フォロワー数や「バズ」を競うアルゴリズム型のおすすめフィードや広告収益モデルを採用せず、少人数の非公開グループでの写真・動画・メッセージのやり取りに軸足を置く点が特徴となる。今後1ヶ月以内にはAIが生成する「ミニゲーム」機能の追加も予定されているという。
背景
近年、欧米ではインフルエンサーの発信力や「バズ」を軸にしたアルゴリズム型SNS(Instagram、TikTokなど)への疲れが指摘されており、若年層を中心に、ごく親しい相手だけに公開する非公開アカウント(いわゆる「裏アカ」)で本音や日常を共有する動きが広がってきた。数年前には、加工なしの写真をその場で共有する「BeReal」のような非公開・素の投稿を掲げるアプリが一時的に注目を集めている。Yopeは、こうした「アルゴリズムに追われない、少人数の身内向けSNS」というニーズの延長線上に位置づけられるサービスといえるだろう。
詳細
Yopeを率いるのは、ロンドン拠点のBahram Ismailov氏(CEO・共同創業者)とPaul Rudkouski氏(共同創業者)である。Ismailov氏によれば、AIを活用した10万件以上のインタビュー調査を通じて、若者の約30%が「スパムアカウント」と呼ばれる非公開アカウントを使い、ごく少人数の友人と親密な内容を共有している実態を発見したという。「自己表現するにはインフルエンサーにならなければならない」という現状の課題への解決策として、Yopeは開発された。
プロダクトとしては、アカウントは初期設定で非公開となっており、アルゴリズムによるおすすめフィードは存在しない。広告収益にも依存せず、友人・家族の小規模グループでの写真・動画共有やメッセージング、カスタマイズ可能なプロフィール「壁」といった機能を軸にしている。今後1ヶ月以内には、AIが生成する「ミニゲーム」機能も追加される予定と報じられた。
今回のシードラウンドはNorthzoneが主導し、Inovo、Redseed、Geek Venturesが参加した。TechCrunchの報道によれば、投資家側からYopeへアプローチがあったという。Yopeの登録ユーザー数は約1500万人に達し、週間の共有コンテンツ数は1000万〜2000万件、アクティブユーザーの50%以上が週5日以上アプリを利用しているとしている。また、アクティブユーザーの約20%が年配の家族メンバーを招待しているとも報じられており、若年層だけでなく世代を超えた利用が進んでいる様子がうかがえる。
なぜ重要か
日本でも、LINEのオープンチャットや家族向けアルバムアプリなど、少人数・非公開でのコミュニケーションへのニーズは根強く存在する。Yopeの事例は、フォロワー数やアルゴリズムに追われる従来型SNSへの疲れが海外の投資家からも「収益機会」として認識され始めていることを示している。また、広告に依存せずサブスクリプションで収益化するモデルが、ユーザー数1500万人規模でも成立しつつある点は、SNS事業のマネタイズを考える上で参考になる事例となる。家族間コミュニケーションという切り口は、日本の少子高齢化・遠距離家族が多い社会構造とも親和性が高いテーマといえるだろう。
今後の見通し
Yopeは今回の資金調達を受け、AI生成の「ミニゲーム」機能の追加などプロダクト拡充を進めるとみられる。広告に頼らないサブスクリプションモデルが登録ユーザー1500万人規模でどこまで収益として定着するかは、今後の運営次第といえそうだ。Meta傘下のInstagramやTikTokなど大手アルゴリズム型SNSとの差別化を維持できるかも、注目されるポイントになる見通しだ。
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