LiquidAI、スマホでも動く軽量ビジョンAI「LFM2.5-VL-3B」公開
米Liquid AIが2026年8月12日、31億パラメータの軽量ビジョン言語モデル「LFM2.5-VL-3B」を公開しました。画面理解や物体検出、複数画像推論などに対応し、スマホやPC単体で動く画像認識AIとして紹介されています。
重要ポイント
- Liquid AIが2026年8月12日、31億パラメータのビジョン言語モデル「LFM2.5-VL-3B」を発表
- 画面(UI)理解、物体のグラウンディング(位置特定)、複数画像を跨いだ推論、関数呼び出しの4点を前モデルから強化したと説明
- ビジョンエンコーダにはGoogleの「SigLIP2 400M NaFlex」を採用し、約34兆トークンで事前学習(ビジョンデータ量は前回比4倍)
- Apple M5 Max搭載機で毎秒228トークン、NVIDIA H100 GPUでは毎秒約11,000トークンの推論速度を確認したと報告
- llama.cpp、MLX、vLLM、SGLangなど主要な推論フレームワークに対応し、メモリ使用量は約3GBで動作
このニュースを仕事でどう使うか
- 書類のOCRや画面のUI操作理解など特定の業務に特化した用途であれば、今回のような軽量ビジョンモデルを候補の一つとして検討する余地があります。
- ただし本番導入の前には、自社の実データでの精度検証や、ライセンス条件(lfm1.0)の確認が欠かせません。
- クラウドAPI型のサービスと比べたコストや運用負荷の違いも、比較検討のポイントになりそうです。
LiquidAIは2026年8月12日、スマートフォンやパソコンなど「エッジ」端末上で動作する軽量な画像認識AIモデル「LFM2.5-VL-3B」を公開しました。パラメータ数31億(3.1B)というコンパクトなサイズながら、画面理解や物体検出、複数画像を用いた推論など幅広いビジョン機能に対応しているとしています。前モデル「LFM2-VL-3B」の後継にあたり、Hugging Face上でモデルが公開されているほか、ブラウザ上でセットアップ不要のデモも用意されています。クラウドの大型モデルに頼らず、手元の端末で画像を理解するAIの選択肢がまた一つ増えた形です。
背景
スマートフォンやノートPC単体でAIモデルを動かす「オンデバイスAI」「エッジAI」は、通信環境に依存せずプライバシーを保ちながら画像や音声を処理できる技術として近年注目を集めています。中でも画像を理解する「ビジョン言語モデル(VLM)」は書類のOCRや画面操作の自動化などでの応用が期待される一方、多くの高性能モデルはクラウド上の大規模GPUを前提に設計されており、端末単体での実行にはメモリや処理速度の壁がありました。Liquid AIはこうした制約の中で軽量さと実用的な性能の両立を掲げ、モデルのシリーズ展開を続けています。
3.1Bって数字だけ見ると小さいモデルですけど、実用に足りるんですか?
数字の小ささが弱さを意味するとは限りません。記事の情報の範囲では、より大きな他モデルと競える性能を目指して設計されているとされています。ただ実際の業務での使い勝手は用途次第で、僕自身はまだ試せていません。
詳細
LFM2.5-VL-3Bは、前世代モデル「LFM2-VL-3B」の後継として位置づけられています。画面理解、物体のグラウンディング、複数画像にまたがる推論、関数呼び出しの4つの能力を強化したとLiquid AIは説明しています。とりわけ関数呼び出し(ツール呼び出し)機能は、テキストのみのやり取りだけでなく画像を交えたやり取りでも改善されたとしています。
技術面では、Googleが開発した画像エンコーダ「SigLIP2 400M NaFlex」と、Liquid AI自社のテキストモデル「LFM2.5-2.6B」と同じ事前学習済みバックボーンを組み合わせる構成を採用しています。約34兆トークンによる事前学習を行い、画像関連の学習データ量は前バージョンの4倍に増やしたとしています。対応言語は16言語に拡張され、日本語や中国語、韓国語なども含まれると報告されています。
推論速度については、Apple M5 Max搭載機で毎秒228トークン、AMD製「Ryzen AI Max+」搭載機で毎秒116トークン、Galaxy S26 Ultraのようなスマートフォンでも毎秒20トークンで動作したとしています。データセンター向けのNVIDIA H100 GPUでは毎秒約11,000トークンのスループットを記録したと報告されています。モデルはHugging Face上で公開されており、llama.cpp、MLX、vLLM、SGLang、ONNXなど主要な推論エンジンに対応し、ブラウザ上で動くWebGPUデモも用意されています。
なぜ重要か
エッジ端末で動くビジョンAIが実用レベルに近づくと、通信が不安定な環境や個人情報を含む画像をクラウドに送りたくない場面でも、AIによる画像理解が使いやすくなります。日本では店舗のPOSレジやサイネージ、工場の検品端末など、常時ネット接続を前提にしにくい現場も少なくなく、こうした軽量モデルの選択肢が増えることには意味があります。オープンな形で公開されているため、企業やエンジニアが自社製品に組み込みやすい点も見逃せません。一方で、ベンチマーク数値は開発元の発表に基づくものであり、実際の業務データでの精度は個別に検証が必要です。
今後の見通し
Liquid AIは今回のモデルもHugging Face上でオープンに公開しており、今後もエッジ向けモデルのシリーズ展開を続けるとみられます。オンデバイスAIの性能向上が続けば、スマートフォンやPCでの画像理解アプリケーションの選択肢はさらに広がっていく可能性があります。ただし、こうした軽量モデルがクラウド型の大規模モデルをどこまで代替できるかは、今後の実運用での検証が焦点になりそうです。
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