米The Vergeは、Googleが約6年ぶりに発売した新型スマートスピーカー「Google Home Speaker」のレビュー記事を公開しました。同誌のスマートホーム担当記者ジェニファー・パティソン・トゥーイー氏は、ハードウェア自体の完成度を高く評価する一方、搭載されているAIアシスタント「Gemini for Home」については「まだ実用段階に達していない」と指摘しています。価格は99.99ドルで、2026年6月25日に発売されました。同記事は、Amazonが刷新したAlexa搭載スピーカーを2025年秋に投入した後を追う形での発売だったと伝えています。

ポイント

  • 価格は99.99ドル、Jade・Berry・Porcelain・Hazelの4色展開(Jade・BerryはUS限定と報じられています)
  • 本体には専用のNeural Processing Unit(NPU)を搭載し、Gemini Nanoをオンデバイスで動作させ、ノイズキャンセルや音声分離などをローカル処理していると報じられています
  • 360度サウンドと小型ながら重低音が出る音質は好意的に評価されている一方、電源ケーブルが着脱式でなく本体固定という設計は柔軟性に欠けると指摘されています
  • 「照明をつけて」といった基本的な操作の応答が、旧来のGoogle Assistantに比べてかえって不安定になったとの報告があります
  • 会話継続機能(Continued Conversation)など一部機能が有料の「Google Home Premium」(月額10ドル〜)に移行したと報じられています

背景と詳細

Googleにとって今回のGoogle Home Speakerは、旧世代の「Nest Audio」以来、約6年ぶりとなる自社設計のスマートスピーカーです。The Vergeによれば、Google幹部は発表から出荷までに9ヶ月をかけ、Gemini for Homeとの連携を作り込んだと説明しているといいます。

一方で実際の使用感については、トゥーイー氏は「AIによるスマートホーム操作は使える段階に達したか」との問いに「まだだ」と明言したと報じられています。背景には、GoogleとAmazonともに開発の重心が「より賢い汎用AIアシスタント」の実現に移り、以前のGoogle Assistantや初代Alexaが担っていた「スマートホーム専用機」としての作り込みが手薄になっているという構造的な問題があると分析されています。

実際、Gemini for Homeへの移行後は基本的な操作でエラーが増えたとの声があり、対応しきれない場合は旧来のGoogle Assistantに処理を戻す仕組みも残っているようです。トゥーイー氏は今回のスピーカーを「スマートホーム専用に設計されたハードウェアの始まり」と位置づけつつ、「今回が最後のチャンスだ。今度こそやり遂げてほしい」とGoogleに注文をつけています。

なぜ重要か

日本でもGoogleアシスタント対応のスマートスピーカーやスマート家電を使っている家庭は少なくなく、生成AIによるアシスタント刷新の波は国内向け製品にも波及する可能性があります。今回の報道は、AIによる対話性能が向上しても、日常の家電操作という地味だが重要な基本機能の安定性が犠牲になりかねないという教訓を示しています。スマートホーム製品の導入や買い替えを検討する際は、目新しいAI機能だけでなく基本操作の信頼性についても情報を確認することが重要だと言えそうです。

今後の見通し

Gemini for Homeは現在も機能追加や不具合修正が続いている段階とみられ、今後のアップデートで基本操作の安定性が改善されるかが焦点になりそうです。日本国内での販売や対応時期については、現時点で明らかになっていません。