OpenAIは、ChatGPTの利用実態を継続的に追跡する新データシリーズ「Signals」を公開し、2026年第1四半期(1〜3月)にかけて利用者層がさらに広がったことを明らかにしました。これまで利用の中心だった35歳未満の若年層に加え、35歳以上のユーザーや女性ユーザーの比率が上昇しているほか、アフリカやアジアなど新興市場での伸びが際立っています。日本も、人口あたりのメッセージ送信数で見た国別ランキングで順位を上げたと報告されています。OpenAIによると、今回のデータは個人向けプラン(Free・Go・Plus・Pro)の利用者を対象にしたもので、法人向け・教育機関向け製品は含まれていません。
ポイント
- ChatGPTの利用は2023年7月以降、全大陸で拡大しており、相対的な伸び率ではアフリカとアジアが最も高いとされています。
- 英語以外を主に使うユーザーが全体の半数を超え、非英語圏ではスペイン語・ポルトガル語・アラビア語の利用者が多いと報告されています。2023年7月からの伸び率で見ると、ウズベク語・カザフ語・ビルマ語のユーザー比率の増加幅が最も大きいとされています。
- 2026年第1四半期は、35歳未満が引き続きメッセージ数の最大シェアを占める一方、35歳以上のユーザーがシェアを伸ばし、女性の典型的な名前を持つユーザーの比率も上昇したと報告されています。
- 国別の一人当たりメッセージ送信数ランキングでは、ドミニカ共和国とハイチがそれぞれ9位、日本が8位、順位を上げたとされています。
- 用途面では文章作成や情報収集が引き続き主要な使い方ですが、ビジュアルデザインや医療文書作成、業務の運用企画、教育に関する相談など、より専門的な使い方が伸びているとされています。
背景と詳細
OpenAIはこれまでも週間利用者数など断片的な数字を発表してきました。2026年に入ってからは週間利用者数が9億人を超えたと報じられており、1年前の水準からおよそ倍増したとされています。今回の「Signals」は、こうした総数の発表とは別に、年齢層・性別・地域・言語・用途といった切り口でChatGPTの使われ方の変化を継続的に追跡する枠組みとして新たに整理されたデータシリーズです。公開された分析では、2023年7月を起点として、ChatGPTの利用がどの地域・言語層に広がってきたかが示されています。
四半期ごとの詳細分析では、2025年第4四半期から2026年第1四半期にかけての変化に焦点が当てられています。従来はアメリカや西欧など利用が先行していた大規模市場を中心に伸びてきましたが、直近の四半期ではラテンアメリカ・カリブ海地域やアジア太平洋地域、アフリカ、ヨーロッパの各地域で利用の広がりが確認されたとしています。とりわけ、これまで大規模市場ではなかった国での伸びが目立ち、ドミニカ共和国・ハイチ・日本などがランキングで順位を上げたことが紹介されています。
用途の面では、文章作成や情報検索が依然として最も多いカテゴリーである一方、ビジュアルデザインや医療関連の文書作成、業務計画の立案、教育に関するアドバイスといった、より専門性の高い使われ方が四半期の中で伸びていると報告されています。なお、今回のデータはあくまで個人向けプラン(Free・Go・Plus・Pro)を対象としたもので、企業向けや教育機関向けの製品は含まれていない点には注意が必要です。
なぜ重要か
今回のデータは、ChatGPTの利用が一部の若い技術好きユーザーにとどまらず、より幅広い年齢層・性別・地域に広がりつつあることを裏付けるものです。日本の順位上昇が事実であれば、国内でも生成AIの利用が着実に定着し始めている可能性を示唆します。企業でAI活用を検討する立場からは、利用者層の広がりや用途の多様化が、社内導入や人材育成の設計を考えるうえでの参考材料になります。また、非英語圏・非英語話者の利用拡大は、日本語を含む多言語対応の重要性が今後さらに増すことを示しています。
今後の見通し
OpenAIは今後も「Signals」データを継続的に公開していく方針とみられ、四半期ごとの動向がAI活用の広がり方を測る指標のひとつになっていく可能性があります。ただし、今回のデータは個人向けプランに限られており、企業導入の実態を直接示すものではない点には留意が必要です。日本市場での利用がどこまで本格的に定着するかは、今後のデータ公開を継続して確認していく必要がありそうです。